2ntブログ

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

運命の歯車

Aくん:それからは未来も想像出来ると思うけど、僕は完全な奴隷として彼に従い続けた。
未来 :でも、なんでそうしなきゃいけなかったの?
Aくん:もうどうにも出来なかった、心も身体も、いつの間にか完全に支配されていたんだね。
未来 :誰にも相談出来ず、信じていた家族にも裏切られて、Aくんはずっと一人そんなのに耐えてたなんて。。。
Aくん:受け入れるしかなかった。これで分かったかい?僕は”選べなかった”んだ。


返す言葉が見つからなかった。
いけないと分かっていても、まるで麻薬のようにまたそれを求めてしまう。
歪んだ欲望のはけ口になる事に快感を得てしまう。
この美しい人がこんな忌まわしい過去を持っているなんて、さっきまではまるで想像も出来なかった。
義父以外の欲にまみれた男達にも従い続け、犯され、弄ばれ、そしてまた犯される、そんな日々をずっと過ごしてきた・・・・


映画やドラマだけの世界だと心の中で僕は思っていた。
でも、現に目の前にいる美しい青年は、その忌まわしい過去を持ちながら今日も僕の目の前で生きている。


それからAくんは学校卒業までその生活は続いたが、学校卒業と同時に家を出て、それからは家族とは一度も話していないという。
連絡先も行き先もなにも伝えず、半ば家出のような状態で家を飛び出した。
その時はそれ以上家族の事を話さなかったが、自分からその事をそれ以上聞く事もなかった。
ただ誰も自分を知らない土地に行き、全く別の人生を歩もうとしたのだと思った。


Aくん:この話を聞いて、未来は僕の事をどう思う?
未来 :どう・・・って?
Aくん:僕を汚らわしい人間だと思うかい?
未来 :そんな事思わないよ!むしろ・・・
Aくん:むしろ?
未来 :むしろ・・・生きててくれてありがとう。
Aくん:・・・
未来 :今日まで生きて、僕と友達になってくれてありがとう。
Aくん:・・・・キミは、本当に変わった子だね。
未来 :・・・そうかな?
Aくん:でも、やっぱり未来に本当の事を話せてよかった。
未来 :少しは僕もAくんの役に立てたのかな?
Aくん:もちろん、これからもっともっと仲良くなってくれれば、僕もすごく嬉しいよ。
未来 :もちろんだよ!


そういうとAくんは小さいボトルのシャンパンを頼んだ。
すぐにシャンパングラス2つとシャンパンクーラーに入ったシャンパンが運ばれてきた。
ポンっ!という抜けのいい音が店内に響き、炭酸の爽やかな音を聞きながらグラスに注がれるシャンパンを見つめる。
シャンパンが2人に注がれると、それをもってAくんが言う。


Aくん:これからの2人に、乾杯
未来 :うん、乾杯


喉に爽やかな爽快感を感じさせながらシャンパンが全身に染み渡るのを感じる。
ついさっきまでは息をしているのかも分からない程話に集中していたのか、喉が乾ききっていた。
それでも、彼を少しでも理解する事が出来、そして少しでも彼の救いになれた事が嬉しかった。
その友情の証のシャンパンは、いままで味わった事のない程の格別な味がした。


Aくん:ところで、終電は大丈夫かい?
未来 :え?今何時?
Aくん:もう12時になるね
未来 :え!?


急いで電車の終電を調べた。
あと5分で最終電車が出てしまう事に気がつく。


未来 :ごめん!僕もう行かなきゃ!
Aくん:ごめんね、僕の話が長過ぎた
未来 :ううんそんな事ないよ、僕の方こそゴメン
Aくん:また、会えるよね?
未来 :もちろん!また連絡するね!


そう言ってお金を払おうとすると、Aくんは自分はまだもう少しここにいるから大丈夫とだけ言って、早く駅に向かう様に僕に言った。
次回は必ずと言って店を飛び出し、駅に向かった。

Barを出たその時、どこかあのBarは現実離れしていたような気がした。
店から出た時の町の風景を見た瞬間、まるで不思議の国から帰ってきたかの様な感覚を覚えた。
今日話された事も本当はすべて幻だったんじゃないか、Aくんは本当はいなくて、すべて夢だったんじゃないか、そんな事を思いながら酔いが回っている身体をなんとかコントロールして駅に向かって走る。


駅に着くと、もう最終電車がホームにいるのが分かった。
急いで改札口に入ろうするが、大勢の降人で前に進む事が出来ず、ついに電車に最終電車に乗る事が出来なかった。


どうしよう。。。ここからタクシーで帰るのはいくらなんでも遠すぎる。
漫画喫茶で朝まで過ごすかファミレスで始発を待つかと酔いが回ってちゃんと働かない頭の中で考えを巡らせていた。




そういえば、まだあの不思議な国にAくんはいるのだろうか。




ふと思い出すと、勝手に足はそちらに向いていた。
ゆらゆら動く世界が、またあの不思議な国に誘われている様に感じた。


またあの小さな階段の前についた。
まるでこれからまたあのうさぎの穴に堕ちて不思議の国に足を踏み入れようとしている何処かで聞いた物語の主人公の様だと心の中で思った。



階段をおりて、またあの小さなドアの前にたどり着いた。
ドアを開けると、さっきと同じ暗くて落ち着いた雰囲気が漂う空間がそこにあった。
さっきまでいたカップルらしき人たちはすでにそこにはおらず。カウンターには誰もいなかった。


もう店は終わってしまったのだろうか。
まだあれからそこまで時間は経っていない気もするが、かなり経ってしまった気もする。


半分諦めながらさっきまでAくんと一緒にいたテーブルに行くと、そこにはあの美しいAくんの姿はなかった。


やはりもう帰ってしまったのだろうか。
さっきまでその美しい青年がいたテーブルには、飲みかけのシャンパングラスが一つ置かれていた。
自分の分のグラスはもう下げられてしまっているようだった。





「未来?」





夕方待ち合わせた時と同じ様なシチュエーションだった。
その声が聞こえた瞬間後ろを振り向くと、そこにはあの美しいAくんが少し驚いた顔をしてそこに立っていた。


Aくん:どうしたの?何か忘れ物?
未来 :いや、その・・・終電に間に合わなかったんだ

Aくんは少し笑って僕に席を進めた。
僕は少し照れながらAくんが進めてくれた椅子に腰を下ろす。

Aくん:ごめんね、僕のせいで間に合わなかったんだね。
未来 :ううん、僕も時間をちゃんと見てなかったから。
Aくん:でもね、本当は未来が帰ってきてくれて嬉しかったんだ。

そう言うとAくんはまるで恋人を見る様な目で僕に微笑んだ。
その笑顔に急にまたドキッとしてしまったのを覚えている。

未来 :Aくんはどうするつもりだったの?
Aくん:僕はここでもう少し休んでから考えようと思ってた。
未来 :Aくんの家もここからだと遠いでしょ?
Aくん:まあ遠いけど、いつも朝までいたりするからね。
未来 :そうなんだ、Aくんってお酒強いんだね

Aくんは少し笑うと、バーテンダーにモヒートを2つ注文した。
ミントの葉が爽やかで、お酒と言う事を忘れてしまう程飲み易いカクテルだった。

Aくん:ねえ、未来は明日は何してるの?
未来 :特に何も。今日も本当はAくんが誘ってくれなかったら何も予定なんてなかったしね。
Aくん:もう電車もなくなってしまったし、もしよかったら家にこない?

急に心臓が高鳴るのを感じた。
何かを期待していた訳ではないが、さっきの話を聞いた後にこの美しい人の家に行くと言う事をまったく想定していなかった。

しかし、それと同時に少し興味が湧いた。
そんな忌まわしい過去を経験した彼は、一体どんな生活をしているのだろう。
学校卒業と同時に自立した彼は、今は何をしているのだろう。
様々な興味が自分の中の知的欲求をくすぐるのが分かった。

未来 :え?でも急にそんなお邪魔するなんて
Aくん:僕の家じゃ嫌かい?
未来 :いや、そうじゃないんだけど、今日会ったばかりの人なのに急に失礼かなって
Aくん:もう未来は僕の事を沢山知ってるじゃない、今更そんな気の使い方は無用だよ。


少し考えた後、じゃあお邪魔して良いかと聞くと、彼はまた笑顔で僕に微笑んだ。
すぐにお会計を済ませると、その不思議の国を後にした。


Aくんと会った時とは全く違う景色。
闇をネオンが照らす世界。
ゆらゆらゆれる世界を抜けて、タクシー乗り場まで進む。




そしてこの時、運命の歯車がまわりだした事を、僕はまだ知らなかった。




つづく


↓↓☆応援宜しくお願いします☆↓↓
にほんブログ村 セクマイ・嗜好ブログへ
にほんブログ村

捧げたもの

大好きだった家族と一緒に住んでいる家。
その家の奥にある光のあたらない部屋。
暗くて、寂しくて、誰もいない部屋。


Aくん:義父が電話を終えると、僕をその部屋に連れていった。
未来 :Aくんが自分から望んでって事?
Aくん:わからない、ただ彼に手を取られ、ついて行ったのを覚えてる。


部屋につくと、そこにはすでに沢山の支配する為だけに作られた道具が存在していた。
まるでこうなる事を分かっていたかの様にそれはそこにあった。


身体に身につけている衣服をすべて脱ぐ様に言われた。
ただ無心の状態で身体だけがその通りに動き始める。


生まれたままの姿になると、義父はベットの上に座れと命令する。
言われるままにそれに従い、まだ冷たいベットの上に腰を下ろす。
あの時感じた恐怖や絶望も、もう今では何も感じない。


気がつくと、もう”宴”の準備が整っていた。
目隠しで視界は奪われ、口枷を付けられて言葉を奪われていた。
両手首は革で出来た手枷で結束され、自分のペニスには貞操帯が装着されている。
両足を開いた形で、革製の足枷でベットに貼付けられているのがわかる。
上から暖かいネバネバとした物が体中を覆い始める。



なんて屈辱的で無様な姿を晒す事になるんだろう。
これから大勢に犯され、弄ばれ、屈辱的な行為を何度も繰り返し繰り返される。
そう考えれば考える程、あの悪夢の日々が頭をよぎる。



そして、それを身体が求めているのを感じる。
自分の下半身が疼くのが分かる、自分の後ろが疼くのが分かる。



今あるのは恐怖や絶望なんかじゃない。



汚されたい。



犯されたい。



めちゃくちゃにされたい。



もう



後戻りが出来ないくらいに。







しばらくすると足音が聞こえてくる。


1人、2人、3人、4人
その足音と声はどんどん増えてくるのが分かる。





ガチャ





ドアが空いた音と同時に、沢山の人の声が聞こえる。



「遅かったですね、もう準備は整ってますよ」


義父の声、彼が呼んだ自分を求める人たち。


「いやー、すいません、また犯れるって聞いて気合い入れてきちゃいまして」


酒の香りがする。
沢山の声は宴を楽しむ為の準備をしていたようだった。
もうかなり酔いがまわっているせいか声も大きく、騒がしさがいつもとは違った。


「若い子なんてすっかりひさしぶりだからね、たっぷり溜めてきたから今日は沢山出しちゃうからね」
「やっぱり若い子が一番ですよね、しかもこんなかわいい子を好きに出来るなんて幸せですよ」
「私ももう一週間も溜めてますからね、全部搾り取ってもらわないと」


卑猥な言葉が飛び交う。
それぞれが自分に求める事を口にする。
それを聞く度に、自分の下半身が疼くのが分かる。




そして、宴は始まった。




口枷を外され、いきなり太くて汚いものを自分の口に押し込む。
柔らかい皮で覆われたそれを舌でなぞる、どんどん膨張していくそれの先から中が出てくるのが分かる。
すると口の中が吐き気を催す強烈な異臭でいっぱいになる。

「もう何日も洗ってないからな、でもこの変態ちゃんはこの味が大好きなんだろ?」

無理矢理犯されている事への興奮が止まらない。
その汚いものが自分の口の中で暴れる。

次の瞬間、自分のアナルに大きな物が入るのを感じた。
一気に奥までそれは挿入され、腰が砕ける様な苦しさと、その苦しみを与えられる事に快感を覚える。

すぐにそれは絶頂を迎え、大量にそれから絞り出されたものが自分の中に注がれるのを感じる。

「久しぶりだったからすぐにいっちまったよ」

そう言うと次の男が自分に別のそれを挿入する。
ゆっくりと、いやらしく、自分の中を存分に味わうかの様に出し入れを繰り返す。

それと同時に口の中にも、大量にそれから絞り出されたものが勢いよく出され、一気に喉を通過する。
喉に絡み付き、息が出来ない程濃いそれを無理矢理飲み込む。

「ちゃんと飲み込んだか、良い子だねー、本当に大好きなんだねボクは」

男達は代わる代わる自分を犯し、弄び、大量の欲の固まりを自分に注ぎ続けた。
大量の酒を飲み、犯し、また酒を飲んだ。
時には自分の中でトイレを済ませ、そのまま犯した。

繰り返される肉欲の宴、ただただそれに身を委ね、快感を感じた。
縛られ、天井から吊るされ、一人一人に犯された。
机に貼付けられ、前と後ろを2人一緒に交互に犯された。
男達の休憩時間中に、男達は酒をのみ、自分はその間も机の下で盛り立つそれらを口で奉仕し続けた。
アナルにバイブを差し込まれ、皆が酒を飲みながら観賞するなかで自分の中で暴れ狂うバイブに耐えながら、一人一人全員を口で奉仕し、中の物をすべて絞り出した。


休む間のなく犯され、弄ばれ、欲のかたまりを絞り出し続けた。
自分の中がそれでみたされ、同時に黒く染まって行くのを感じた。



あぁ、僕の中が黒く染まって行く。
でも、これは僕が求めた事。
満たされて行く、もう何も痛みを感じない。





沈んで行く。




気がつくと、男達はもうそこにはいなかった。
宴は終わったんだと思ったが、まだ自分の中に疼きがあるのがわかる。


義父の部屋に行き、ベットで仰向けに横たわる義父を見つける。
こちらに気付き、ニヤリと笑みを浮かべる。

「そうか、今日はまだ足りないのか」

義父は仰向けのままズボンを脱ぎ、これを使って自分の欲を満たせと言わんばかりにそれを見せつけた。
そのままそれを自分の口に含み、上下に動かし、最高までそれを盛り立たせる。

「お前もここまで堕ちるとはな、最初の頃が嘘のようだよ。いまではただの淫乱な奴隷だ」

義父の汚い言葉にも興奮を覚える。
盛り立ったそれを自分の中に挿入する。
義父は仰向けのまま両手を頭の上で組み、自分が上下するのをただ不適な笑みを浮かべながら見ている。

一度それから出されるもので自分のお腹が満たされると、今度は正常位でそれを自分の中に挿入する。
自分を包み込む大きな身体に身を委ね、自分を突き刺すそれに快感を覚えた。

もう一度終わると、自分の中から抜き出されたそれを口に含む。
それに絡むすべてを口で絡み取り、それの先から出る残りを吸い取る。

「よし良い子だ、お前に一度だけ俺の目の前で自慰する事を許してやる」

すぐに自分のそれに手を伸ばした。

「自分のアナルに指をいれながらやれ」

命令通り、自分のアナルに指を入れながら自慰を行った。
ずっと欲を搾り取る事だけを強いられたため、自分がそれを出す事はなかった。



下半身が痺れだす、何かがどんどんこみ上げてくる。



すると急に後ろから義父がそれを奪い取り、一気にしごいた。
激しい動きについに耐えられなくなり、一気に自分の中からそれが放たれた。


あまりの衝撃にたえられず、その場に倒れ込んだ。
すると同時に、なぜかとてつもない虚無感と悲しみが自分を襲った。





苦しい、悲しい、寂しい。
急に涙が止まらなくなった。





「お前は今日から射精する事を一切禁ずる、この苦しみをちゃんと覚えておけよ。お前はもう快楽を自分で得る事も出来ない俺の奴隷なんだ。」




その瞬間、この男に完全に支配されてしまったと感じた。
そして、もう後戻りの出来ない、決して捧げてはならないものを捧げた事に気付いた。





つづく


↓↓☆応援宜しくお願いします☆↓↓
にほんブログ村 セクマイ・嗜好ブログへ
にほんブログ村

あの日以来、義父は何をしてくる事もなくった。
母親がしばらく家にいたと言う事もあったが、あの日からすべてが変わった。


Aくん:僕が母に話しかけても、何か避けているような感じだった。
未来 :なんで?なんでAくんが避けられなきゃいけないの?
Aくん:分かってたんだと思うよ、自分が信じてあげなきゃいけないのに、それをしなかった事を
未来 :後ろめたかったって事?
Aくん:そうかもね。


弟の態度も一変した。
それまではお兄ちゃんお兄ちゃんと言ってくれた可愛い弟。
あの日から弟は自分を避ける様になり、自分がリビングにいけば部屋に戻り、
部屋に言っても忙しいと言われる様になった。



自分は何も悪い事をしていないのに、何故こんな仕打ちを受けなければならないんだろう。
自分は何のために自分を犠牲にしてきたんだろう。
でも、もう涙も出る事はなかった。



母親がまた出張に出かけ、弟が友達の家に泊まりに行くと言っていなかったある日の事。
その日は義父も家にはいなかった。
恐らくまたハッテンバと言う所に行っているのだと思った。



Aくん:夜が更けてきたころ、義父が帰って来る音がした。
未来 :うん
Aくん:義父が部屋に入る音が聞こえると、僕は何故か引き寄せられる様に義父の部屋に向かった。
未来 :え?なんで?呼ばれた訳でもないのに。
Aくん:そう、それが彼の作戦だったのかもね。。。



あれだけ毎日の様に自分を求め、犯し、弄んだ義父。
何故あの日から何もしてこない?言ってこない?
もう終わった事なのか?もう終わりなのか?





・・・終わり?





・・・終わる事を、嫌だと感じている?





・・・この元凶となった張本人を、自分から求めている?





Aくん:僕は、その時やっとわかったんだ
未来 :え?




もう




”とっくに自分はあの時に壊れてたんだって”



何も言わずに義父の部屋をあけた。
パンツ1枚でいた義父がこちらに気がつくと、何か勝ち誇った様な笑みを浮かべた。



「やっぱりお前は変態だ、寂しくなって俺にすがりにきたんだろ?なんてイヤらしい淫乱野郎だお前は」



Aくん:もう、どうでもよくなってた。彼は僕がこうなる様にずっと調教してたんだって思った。
未来 :身体だけじゃなく、心も支配されていたってこと?
Aくん:そう、彼の思惑通りだったって事だよ。



「わかっただろ?お前はもうどうにもならない淫乱豚野郎なんだよ」


何を言われても、もう何も感じなかった。
ただ自分の中に空いた穴を埋めてほしかった。
何を言われても言い、何をされても言い。





早く、その汚いもので自分を汚してほしい。




気がつくと、義父は自分の部屋にある電話で電話をかけていた。




「計算通り、うちの奴隷が堕ちた。また楽しんで頂けますよ」



あぁ、また仲間を呼んでるんだ。
またあの汚いので沢山犯されるんだ。




なんでもいい




早く、その汚いのを




僕に注いで




つづく


↓↓☆応援宜しくお願いします☆↓↓
にほんブログ村 セクマイ・嗜好ブログへ
にほんブログ村

崩れゆく世界

赤・・・・真っ赤な赤。


真っ暗な闇の中に見える赤い光。
この歪んだ空間に吸い込まれてからどれくらいの時が過ぎたのだろうか。
一瞬なのか、永遠なのか、もうそれさえも分からない。



ゆらゆらと宙で揺れる自分の足が見える。
その足の間から歪んだ笑みを浮かべながら欲望を貪る大きな影が見える。
自分のアナルに感じる苦しみと痺れ、大きな影と繋がっているのが分かる。


歪んだ欲望の固まりが注がれるのを自分の中に感じる。
大きな影から漏れる荒い息と熱気、大量の汗で濡れた大きな影が自分に絡み付き、口と口が重なり、その中から蠢く何かが自分の口内で激しく暴れるのが分かる。



見える世界が変わる。



大きく仰向けに横たわる大きな人の身体。
その身体の下にある”それ”を自分の口内に招き入れる。
上下に頭を動かし、片手でそれを握り、中にある歪んだ欲望を絞り出す。


同時に自分の身体の後ろに大きな気配を感じる。
その大きな気配はさっきまで自分の中にいたものとは別の物で自分を求める。


また感じる苦しみと痺れ。
大きな気配がゆっくりと動いているのが分かる。
自分の中に何度も出し入れするのが分かる。


「あぁ、最高だ、H大好きなんだねボクは」「この子よく調教されてますね」「まだ子供なのになんて悪い子なんだ」


聞こえてくる影達の声。
悲しみと絶望の中で、ただひたすら求められる事に従った。



Aくん:そしてその日から、僕は義父だけでなく彼らの奴隷にもなる事になった。
未来 :それって・・・お義父さんの命令?
Aくん:そうだね、一つの調教プレイとして彼も楽しんでいたよ。


それから毎日続く悪夢の日々。
義父の要求はとどまる事を知らず、自分好みの奴隷に仕上げるために数々の調教を施した。
知らない人も日に日に増え、代わる代わる犯され続けた。
時にはその知らない男性の家に招かれ、そこでも欲のはけ口として使われる事もあった。



Aくん:そんなある日、家である事件がおきた。
未来 :事件?


母親がいる時は家の中では何もしてこなかったが、弟だけの時は隠れて自分を求める様になっていたある日の事。
いつものように自分がお風呂に入っていると、急に義父がお風呂に入って来た。
一緒に仲良くお風呂に入る家族を装って、またいつものように自分を求めるのだと諦めていた。


案の定、まずは口で奉仕する事を強要され、だまってそれに従う。
義父は身体を洗いながら自分の奉仕を楽しみ、自分の身体も泡で覆う。

泡で満たされた身体を後ろに向け、自分のなかにそれを挿入する。
自分で動く事を要求し、それに従っていたその時。



「僕も一緒に入る!」



弟がまさにその時に入って来た。



見られた



空が落ちるような感覚に見舞われた。
いままでずっと隠して来たものを愛する弟に見られてしまった。



「えっ・・・何してるの?」



驚きを隠せない弟の顔がそこにあった。
自分の見える世界が歪み、崩れるのが分かった。



Aくん:そして弟はその事を家に帰って来た母にそれを言ったんだ。
未来 :じゃあお母さんにもバレちゃったの?
Aくん:うん、お義父さんがお兄ちゃんのお尻におちんちん入れて喜んでたってね。
未来 :それで、お母さんは?
Aくん:信じられなかったみたいで、とりあえず3人で話そうって事になったんだ。
未来 :じゃあ、Aくんは望まないかもしれないけど、その悪夢は終わったんだね?
Aくん:いや・・・



義父は一緒にお風呂に入っていただけだと母に説明をした。
弟の見間違いだ、一緒に身体を洗ってただけだ、あくまで白を切るつもりだった。


迷った。
ここですべてを話してしまえば、自分が恐れていた最悪の結末になる事を知っていた。
でも、もうこんな毎日に耐えられない、何で自分だけこんな思いをしなきゃいけないんだと、毎日苦しかった。



楽になりたかった。



Aくん:弟の言っている事は本当だと母に言った。
未来 :そしたら?
Aくん:顔を真っ青にして僕を見ていた。


そして次の瞬間、何が起こったのか分からないまま、自分の座っていた椅子から転げ落ちた。
気がつくと、自分の左頬に激痛を感じ、口から血が出ているのに気がついた。


見上げると、そこには鬼の形相でこちらを見ている義父がいた。
右手は閉じたまま、怒りで震えているのが分かった。

そして急に胸ぐらを掴み、もう一度殴られた。



「そんな嘘をついて、俺を陥れる気か!何が目的だ!」


叫びながら、また堅い拳で自分を殴る。



何度か自分を殴った後に、母のいるテーブルに義父が腰をかけた。
母は、普段自分の前では温厚な義父の荒れる姿に驚いている様子だった。

「子供の悪ふざけだ」「こんな話を信用して家庭を壊すつもりじゃないだろ?」

義父は母に自分は潔白だと訴え続けた。


Aくん:僕は、母はそれでも僕を信じてくれると思った。
未来 :信じてくれるでしょ、だって弟さんも見たんだし。


でも、母親は信じてくれなかった。
変な嘘をついて家族をめちゃくちゃにしたいのかと義父に殴られた頬を平手で叩いた。


大好きだった母、誰よりも自分と弟を愛し、信じてくれていた。


しかし、そこには自分の知る母はもういなかった。
認めればそれは家族の崩壊を意味することはもちろん、また自分が一人孤独になることも意味していた。

一人になりたくない、女として愛してくれるこの男にすがりたいと言う自分の欲をみたしたい一人のか弱い女がそこにいた。
その為に、歪んだ欲望に塗れる変態男に生け贄として自分を捧げたと感じた。





そしてその時、自分の中で何かが壊れた気がした。



つづく

↓↓☆応援宜しくお願いします☆↓↓
にほんブログ村 セクマイ・嗜好ブログへ
にほんブログ村

悪夢のはじまり

もう何杯目だろうか、Aくんは新しいカクテルを注文し、それを飲み干した。
”外国の血が入っている人はやはりお酒に強いのかな"などと、こんな大変な話を聞いた後で自分の頭の中をよぎる。
自分の過去のトラウマ、飲まなければとても冷静に話せる内容ではないのだと思った。


”もっと残酷な裏切りが僕を待っていたんだ”


この言葉の後、Aくんは口を開かなくなり、沈黙が続いた。


また新しいカクテルが運ばれてきた。
テーブルにそれが置かれると、ふとAくんの横顔に目がいった。
間接照明とテーブルの真ん中に置かれたロウソクの火がAくんを照らす。
その横顔は切なく、悲しそうな目をしていた。
不謹慎だと分かっていても、それでも僕はそのAくんの美しさに見とれてしまった。



Aくん:義父に乱暴される事が日課になってきたある日の週末、僕が学校から帰って来るより早く義父が家にいたんだ。


ハッと我に返り、Aくんが口を開いた事に気付く。


Aくん:何か嫌な予感がした、何かがいつもと家の中が違っていた。
未来 :どう違ったの?
Aくん:わからない、でも何かが違ったんだ。

Aくんが言うには、いつもは自分より早く義父が帰って来る事はなかったという。
帰ってすぐにその異様な雰囲気に耐えられず、早足で自分の部屋に逃げる様に駆け込んだ。



”コンコン”



部屋のドアがノックされる音が聞こえた。
”誰?”と聞くと、それはやはり義父だった。
要件を訪ねると、”手伝ってほしい事がある”から下の奥の部屋に来てほしいという事だった。

その部屋は普段はあまり使われておらず、大きさとしては家の中でリビングとキッチンの次に広い部屋だったが、
家の中にあるすべての部屋の中で一番日の光があたらない部屋の為、半分物置のような形で使われている部屋だった。
季節ものの服や昔弟と一緒に遊んだおもちゃ類、本やピアノまである。
いつもキレイに掃除されている部屋ではあるが、用事がない限りあまり立ち入る部屋ではなかった。


そんな所で何を手伝ってほしいんだろう、何か物を出すのを手伝ってほしいと言う事だろうか、それともまた乱暴されるのだろうか。
でもまだ夕方、弟ももうすぐ帰って来る、弟がいる時は乱暴はされないからきっと大丈夫。
そう思いながら家に帰ってきた時から感じていた嫌な予感を感じながら義父の待つ下の奥の部屋に向かった。



部屋に近づくと、部屋のドアの前で義父が待っていた。


「ちょっと自分の部屋に忘れ物をしたから、先に入って待ってなさい」


そう言うと義父は自分の部屋に早足で向かって行った。
何かないと出せない様な物なのかと不思議に思いながら先に部屋に入った。


Aくん:すると、とんでもない裏切りが僕をそこで待ってたんだ。
未来 :とんでもない裏切り?


ドアを開けると、そこは自分が知っているいつもの物置部屋とは明らかに雰囲気が違っていた。
いつもは日が当たらないせいか、少しホコリとカビのような湿気った空気が漂い、
夏でも少し肌寒さを感じる物置部屋だったはずの場所が、異様な熱気と湿度に包まれ、部屋中に煙の様な物が充満していた。
さらに外からの明かりを完全にシャットアウトしているせいか、いつもは感じられる窓からのかすかな光も感じられず、照明のせいか部屋中が赤色に染まっていた。


「やあ」


その異様な部屋に気を取られていたせいで、そこにいる”何か”に気がつかなかった。


「こんにちはボク」

「おぉ〜、やっぱりハーフの子は可愛いね」


義父と同じくらいの年齢の見知らぬ中年男性が2人いるのが分かった。
真っ暗な部屋を赤い照明で照らしているせいか、2人に気がついた時は目が慣れておらずよくわからなかった。

しかし、少し目が慣れてくると、その2人の姿を見て何をするつもりかは一目瞭然だった。
すでに2人とも全裸で、男達の興奮度を物語るかの様にそれは盛り立っていた。
足下には支配する為の様々な道具が置かれ、拘束する為の道具も準備されていた。


すぐに部屋を飛び出そうとした。
するとそこには、母の前では笑顔で優しい義父ではなく、まるで人が変わった様に自分の欲のすべてを注ぐ欲望の固まりとなった義父が目の前に立ちはだかっていた。


「どこに行くんだ?お客様に失礼だろ」


あとから聞かされた事だが、義父は夜遅く帰ってくる時が時々にあった。
それはいわゆるハッテンバに行き、自分好みのウケを探してはプレイを楽しんでいるものだった。

それらのハッテンバで何人かのタチの顔見知りが出来、帰りにその顔見知り達とお酒を飲む事になった際に自分との事を漏らしてしまい、自分達も混ぜてほしいと言われたのがきっかけだったと言う。

”手伝ってほしい事がある”と言ったのはこういう事だったのかと思った瞬間、激しい絶望を感じた。
それまであんなに酷い事をされても、心のどこかでまだ義父を信じていたのにと思った。



そして、長い悪夢はそこから始まった。



つづく

↓↓☆応援宜しくお願いします☆↓↓
にほんブログ村 セクマイ・嗜好ブログへ
にほんブログ村

守りたいものの為に

Aくんと僕は一杯目のカクテルを飲み終わり、また別のカクテルを注文した。
静かな店内にカクテルをシェイクする音が響き渡り、しばらくするとそれはやんだ。
新しいコースターがテーブルにおかれ、新しいカクテルと小さい器に入ったドライフルーツが運ばれてきた。

ウェイターがその場を去ると同時にAくんはカクテルを口に運び、ドライフルーツを一口食べてから話し始めた。


Aくん:僕はあの日、ベットに縛り付けられて、いつもとはまるで違う義父の姿をみた。
動けなくて、何が起こっているのか分からず不安で、思わず母の名を口にした。

僕は小さく頷いた。

Aくん;父は足下にあるバックから何かを色々と取り出し、準備を始めた。
未来 :何の準備?
Aくん:僕を・・・"自分の物にする”準備だよ。

僕はまた少し緊張に似た鼓動の高鳴りを感じた。
焦りの様な、緊張の様な、何かすごく胸が締め付けられる様な感覚を覚えた。



そして彼は,その日に起こったすべての事を話し始めた。



最初にバックから取り出したものは大量のローション。
大量に自分の全身に塗りたくり、Aくんの身体にも満遍なくローションを塗った。


次にバッグから口枷を取り出し、恐怖で震える彼にそれを装着し、さらに目隠しをして完全に視界を奪う。


それですべての準備は整った。


Aくん:そして、いよいよ義父は自分の歪んだ欲求を僕にすべて注ぎ始めたんだ。

僕はまた小さく頷いた。

まず義父は、ローションでぬるぬるした彼の全身を手で滑らせながら彼を手で感じた。
「毛がまだ全く生えてないんだな」「肌がすべすべで気持ちが良い」「こんな上物を頂けるなんて幸せ者だ」

時々義父の独り言が何も見えない世界から聞こえてくる。
何が起きているのか分からず、怖くて、気持ち悪くて、不安でいっぱいだったと彼は話す。

そしてしばらくすると、急に繋がれた両足を大きく開かれるのが分かった。
義父の両手が自分の膝にそれぞれあてられて、ギリギリまで大きく足を開かれた。
何が起こるのか不安と恐怖しか感じない中で、自分の股間に大きな気配と暖かい風を感じた。

そして次の瞬間、自分のペニスが何かに吸い込まれるのが分かった。
口枷をされているせいで声を出す事も出来ず、ただもがく事しか出来なかった。

何も見えない真っ暗な世界の中で、自分の股間からじゅるじゅると音が聞こえる。
自分のペニスが何か生暖かい物の中で蠢く何かにもてあそばれているのがわかる。
真っ暗な闇の世界に響く”じゅるじゅる””ぴちゃぴちゃ”と言う気味の悪い音、もてあそばれいる自分のペニスから感じる疼きの様な感覚、永遠の様に感じる時間、ただただそれが終わるのを待つしかなかった。

「どうだ気持ちいいだろう?これはフェラチオと言うんだぞ、覚えておきなさい」

奇妙な音が終わった後に義父の声が聞こえた。
じんじんする自分の股間に何が起こったのか確認する事も出来ず、ただそれを聞く事しか出来なかった。

「次はお前の番だぞ」

そう言うと急に下半身に冷たくてドロッとした物がかけられるのを感じた。
またあのローションを大量にかけられたのだと分かった。

すると今度は両足首の縄をほどき、冷たい金属のような物で両足を固定された。
その直後、固定された両足を掴み、その両足が真上を向いた瞬間、自分の股と股の間に硬くて太くてドクドクと脈打つものが差し込まれた。

「お前の肌はまだ若くてきめ細かいからな、いきなり後ろは無理だろうから、今日は素股で勘弁してやるよ」

そう言うと、その太くて硬いものが、自分の股の間でなんどもこすれるのを感じた。
義父のどんどん荒くなっていく息と、どんどんスピードを増して摩擦で股の間に感じる熱、そして”にちゃにちゃ””くちゅくちゅ”と言う音だけが聞こえる。

何をしているのか全く分からない、そう思った次の瞬間、義父の大きなうめき声の様な声と同時に、急に股の間に感じていた太いものが引き抜かれたのが分かった。
そして自分の顔と口辺りに、生暖かくて今まで嗅いだ事の無い臭いのする、ぬるぬるした物がかかったのを感じた。

「これからお前の大好物になるものだ」

その言葉が聞こえた瞬間、口を塞がれている口枷に装着されている穴の空いたボールの間から、ドロドロとした生臭いものが入ってきた。
あまりの気持ち悪さに吐き出そうとしても吐き出す事も出来ない。
それはそのまま喉を通過し、喉に絡み付く様な不快感と吐き気を催した。



そしてその日、それらは何度も繰り返され、父親の欲望のままにそれを受け止め続けた。




外がぼんやり明るくなってきた頃、両手両足の拘束を解いて義父は言った。

「この事は決してお母さんには言うなよ、言えばお前が辛い思いをするだけだからな」

それからしばらく、あまりのショックで放心状態だった。
気付くともう部屋には義父の姿はなかった。


Aくん:そして次の日の朝、義父はいつもと同じ様に接してきたよ
未来 :何もなかったかのように?
Aくん:うん・・・僕も何も言えなくて、悪い夢だったんだ、早く忘れた方がいいんだって思う事にしたんだ。

僕は何も言えなかった。
まだ何も分からない小学生の小さな少年が、自分の大好きだった、しかも同性の義父からこんな酷い事をされるなんてまだ信じられなかった。

Aくん:そして数日後、その悪夢の続きが始まったんだ。
未来 :それで終わらなかったの?
Aくん:あれはただの序章に過ぎないよ。

義父は彼が何も言わず、たまに帰って来る母親にも告げ口しない事をいいことに、この日を境に彼の身体を求める様になった。
3回目の時にはついに義父の男根を彼の中に受け入れる事を強いられた。
背筋に電気が走る様な苦痛と苦しさ、頭が真っ白になり、腰がくだけそうな程苦痛だった。

日を追う毎に義父は所構わず彼を求める様になり、彼はただその言いなりになるしかなかった。
義父の要求は日に日にエスカレートし、誰にも相談出来ないまま、ただそれに従い続けた。
初めてのアナルプレイを経験したその日から毎日アナルプラグの装着を義務づけられ、アナルの拡張を強いられた。
義父の食事中は弟がいない時はテーブルの下でフェラチオで奉仕、風呂の中でもトイレの中でも、所構わず性行為を強要され続けた。
決して求められる事を望んでいた訳ではなく、求められる度にどうしたら早く終わるのかだけを考えた。


恐らく義父は、こういう事をされても平気な子だと勘違いしてたんだろうと彼は言った。


Aくん:このままだといつか大好きな母と弟にバレてしまう、でもどうしたらやめてくれるのか分からなかった。
未来 :なんでお母さんに相談しなかったの?
Aくん:出来る訳ないよ、頑張って仕事をして僕らの事を愛してくれて、そして何よりも女として義父を愛していた。それを僕が壊すなんて出来ないよ。
未来 :弟さんにはバレなかったの?
Aくん:変だとは感じていたかもしれないけど、僕も義父も白を切り通した。義父は弟には全く興味がなかったみたいだから、それはせめてもの救いだった。


幼いAくんはそんな事を一人で考え、背負っていたのかと思った。
義父にひどい事をされている、それを警察や児童相談所に言う事も出来た、母親に言う事も出来た。
でもそれは同時に家庭の崩壊を意味し、何よりも世界で一番大好きな弟の家族の幸せと母親の女としての幸せの両方を奪う事になる事を意味していた。

だから母親と弟には絶対にバレてほしくない、母親と弟の幸せの為と思えばどんな事だって耐えられる。
まだ幼い少年はそう考えながらすべてを自分が背負い込み、日々エスカレートしていく義父の要求に従い続けた。



Aくん:でも、もっと残酷な裏切りが僕を待っていたんだ。



つづく

にほんブログ村 セクマイ・嗜好ブログへ
にほんブログ村

決意

”小学校5年生の頃から高校を卒業するまでの間、ずっと義理の父親に性的虐待を受けていたんだ”

Aくんのその言葉から長い沈黙が続いた。
何かのテレビ番組等では聞いた事のある類の話ではあったが、実際にそれを経験した人を目の前にするのは初めてだった。
自分がその話を聞いた時にどんな顔をしていたのかは分からない。

Aくん:驚いた?

Aくんからその沈黙は破られた。

未来 :えっ?・・・うん・・・
Aくん:そうだよね・・・汚らしいよね、僕・・・
未来 :そんな事ないよ、だってどうする事も出来なかったんでしょ?
Aくん:そうだね・・・
未来 :じゃあAくんは汚らわしくなんてないよ

Aくんは黙っていた。
さっきまでの手の震えはおさまっているようだったが、虚ろな目をしてワイングラスの中のワインをゆっくりまわしながら、何か遠い記憶を見ている様な感じだった。


そして、またゆっくりAくんは話し始めた。


Aくん:こんな事、誰にも言えないよね。だから、未来が話を聞いてくれるって言ってくれた時は嬉しかったんだ。
未来 :ごめんね、そんなに大変な話だなんて知らなかったから、辛い事思い出させちゃったね・・・
Aくん:そうじゃないよ、僕が未来に聞いてほしかったんだ、未来だったら・・・分かってくれるんじゃないかって・・・


その時ハッと思った。
僕が失恋で悲しみのどん底にいる時と同じ様に、そこから助けてもらいたいと言う期待を彼も僕に抱いているのではと思った。

でも、自分の人生の中でも初めて聞く信じられない話。
他の友人から色々な相談を受けた事はあるが、この手の話はいままでに一度もない。
どんな顔をして、どんな話をして彼と接すれば良いのか検討もつかなかった。


でも、彼は自分に助けを求めている、そんな気がした。


Aくん:ごめんねこんな話して、ビックリしたよね。

作り笑いをしながらAくんはまたワイングラスを手に取り、ワインを一気に飲み干し、ワインボトルに入った最後のワインを均等にそれぞれのグラスに注ぎ入れた。

そしてまた沈黙の時が流れる。
僕はグラスに注がれたワインを一口のみ、彼にどう言う言葉をかければ良いか必至で考えた。

未来 :Aくんは、何故その話を僕にしたの?
Aくん:さっきも言った通り、未来だったら僕の事を分かってくれるんじゃないかって思ったから。
未来 :分かってあげたいけど、僕にはそのAくんの辛い過去にどう接してあげれば良いか分からない・・・

正直に答えた。
彼が自分の過去をどう考えているのか分からなかったが、彼の過去を僕が変えてあげられるわけじゃない。
どうすればいいのか、Aくんが僕に何を求めているのか、何をしたら彼の求める期待に応えてあげられるのか、ただそれが知りたかった。

そして、Aくんは少し微笑みながら言った。

Aくん:未来に僕のすべてを話したいんだ、それを聞いてくれるだけで僕は嬉しいし、救われる気がする。
未来 :・・・うん、わかった。僕でよければ。
Aくん:場所変えようか?

そう言うとAくんは近くの服掛けに掛けてあった自分のジャケットを取り、バックを持って店の入り口に歩いて行った。
自分も慌てて準備をしてAくんのそばに行くと、Aくんはすでにクレジットカードでお会計を済ませ、サインをしていた。
僕も払うよとAくんに伝えたが、Aくんは左手の人差し指を立てて僕に横顔で微笑んだ。

店の外に出て分かったが、僕はかなり酔っていた、ワインボトル2本もあければ当然かと思った。
そして、先に歩いて行ったAくんに少しふらつく足で後ろからついて行った。

ここにくるまでは隣同士で話しながら歩いてきたのに、今度はAくんは僕の前を歩いて一言も話さなかった。
そんなAくんに、僕も黙ってついて行った。

しばらく行くと路地裏に入り、数十メートルいった所に一人しか通れないくらいの幅の地下に通じる階段の前についた。
Aくんは何も言わずその階段をおりて行き、僕もその後に続いた。

階段を下りきった所に扉があり、それを開けるとそこはバーだった。
入り口は狭かったが店内は広く、カウンターとテーブル席があった。

Aくんが少し店内を見渡し、カウンター席の中にいる一人の人に笑顔で胸の辺りで手を振った。
その人がAくんに気付くとすぐにカウンターから出てきて、僕たちを店の奥のテーブル席に通してくれた。

席に座ると、Aくんはマティーニを頼み、僕も同じ物を頼んだ。
店内はさっきのレストランとは違い、真っ暗な店内を所々にある間接照明が照らし、ジャズ音楽がその雰囲気をさらに大人な空間として演出していた。
店内にはカウンターにカップルらしき人たちが一組いるだけで、他には店員以外は誰もいなかった。

しばらくすると、注文したマティーニと小皿に盛られたナッツが運ばれてきた。
ほんのりレモンのような香りのするマティーニは、間接照明で美しく輝いていた。

Aくんと乾杯した後にAくんがいった。

Aくん:ここも僕のお気に入りのバーなんだ。何かあった時とか一人でいたい時にたまに来る秘密の場所なんだ。
未来 :Aくんって素敵な店を沢山しってるんだね。
Aくん:そんな事ないよ、いく所がきまっているだけ。

Aくんは少し微笑んで、マティーニを少し飲んだ。
カクテルを飲む姿も優美で、その姿に少し見とれた。
そして、僕もそれを真似てマティーニを少し飲んだ。


Aくん:ねえ、さっきの話だけど


すこし言いづらそうに話をし始めた。
僕はAくんの気持ちを察して先に言葉を発した。

未来 :うん。もう僕はAくんの為に何か出来る事をするって決めたから、Aくんのすべてを僕に教えて。

酔いもまわっているせいか、さっきより気持ちは落ち着いていた。
Aくんも少し安心した様な顔で笑顔を向けた。

Aくん:わかった、僕のすべてを未来に話すね。
未来 :うん
Aくん:でも、後悔しない?

”後悔”の意味がその時は分からなかったが、僕は迷わず首を縦にふった。
Aくんは少し微笑んだ様な、何かを得た様な笑みを浮かべてカクテルに手を伸ばし、それを口に囲んだ。

そしてこれが、これから始まる事の最初の入り口だったと言う頃を、僕はまだ知らなかった。


つづく

にほんブログ村 セクマイ・嗜好ブログへ
にほんブログ村

過去の記憶

店に到着すると、その店はAくんの顔見知りの店だったのか、店の店長らしき人がわざわざ厨房から出てきてAくんに挨拶をし、店の奥の特別席のような所に通された。

4人がけテーブル席に腰を下ろして、少し辺りを見渡す。
店の壁はレンガ風の壁で、壁には洋風の小さな絵が飾ってあり、所々に観葉植物がおいてあるオシャレなレストランと言う感じだった。
店内も落ち着いた雰囲気で、特に僕たちが通された席は店の奥の半個室のような席なので、他のお客さんとは目が合わず、ガラス張りの厨房で料理をしている店長ともう一人のシェフの人だけが見える様になっている。
実際こんなオシャレなお店に来るのは彼女との特別な日以外は来た事が無いと心に思った。

Aくん:素敵なレストランでしょ?ここ僕大好きなんだ。
未来 :うん、すごく素敵な店だね。

Aくんはまた笑顔で僕に微笑んだ。
同性なのに、その笑顔に何故か少しドキッとしたのを今でも覚えている。


注文を取りにきた店長に、Aくんは赤ワインのボトルと料理を頼んだ。
すぐに店長が赤ワインのボトルとグラスを2つ運んできて、2人のグラスにそれぞれワインを注ぐ。
僕はワインの味は正直あまり分からなかったが、そのワインは何故かすごく美味しく感じた。


料理が出てくると、Aくんが小皿に料理を食べ易い量で取り分けて僕にそれを渡した。
盛りつけ方もキレイで、きっと幼い頃からマナーを学んできた良い所の人なんだろうなとその時感じた。


Aくん:どお?美味しい?
未来 :うん、すごく美味しいね。


その言葉にまた笑顔で僕に微笑んだ。
食事を口に運ぶ姿も優雅で、何をやっても絵になると心で思った。


食事が一通り済んだ頃にはワインのボトルはもう空いていた。
もうすでにかなり酔いがまわっていたが、Aくんは何も言わずに別のワインボトルを注文した。

未来 :もう一本飲むの!?
Aくん:だって、せっかく未来に会えたんだもん、2人の出会いに乾杯しなきゃね!

無邪気な笑顔でワイングラスを片手に僕に微笑む。
その笑顔は本当に優しくて、心が暖まるような気持ちにさせた。


テーブルにはワインボトルと2人のワイングラスだけになり、食事も一段落した頃。


Aくん:ねえ、未来はなんであーいうチャットに来たの?

僕は以前からAくんに話をしていた彼女との失恋話や、同性であれば気持ちを理解してくれると思った事を話した。

Aくん:そうだったんだね、じゃあ実際には同性の人が好きだからとかそう言う訳じゃないんだ?
未来 :そうだね
Aくん:まったく興味ないの?
未来 :恋愛感情とかはまったく湧かないし、同性の裸体をみても淫猥な気持ちを感じる事もないよ。
Aくん:ふーん

Aくんは少し怪しんだ感じの笑みを浮かべて僕を見ていた。
さっきまでそんな話は一切せず、いつもチャットで話をするような映画とか本とかアニメとかの趣味の話で盛り上がっていたので、急な話の展開に少し戸惑いを感じていた。

Aくん:でも、僕と会う事になって、何か新しい事が始まるんじゃないかとか思わなかった?

僕はAくんの言っている意味が良く分からなかったが、その時はネットで出来た始めての友達と言う事だと思い、素直にその質問に頷いた。


Aくん:未来って、かわいいね


心臓の鼓動が一気にあがったのがわかった。
いままで生きてきた中で、この何とも言えない衝撃を感じた事はなかった。
照れている?恥ずかしい?嬉しい?よくわからなかったが、確かに鼓動が高鳴っていた。

Aくん:未来は僕が同性が好きだと思う?
未来 :ちがうの?
Aくん:うーん、厳密に言えば違うのかな
未来 :厳密に言えば?
Aくん:異性同士結婚するのは愛し合ってるからでしょ?そうではないと言う事かな。
未来 :じゃあどう言うの?
Aくん:うーん、難しいなwなんて説明すれば良いんだろう。
未来 :じゃあAくんは女性が好きなの?男性が好きなの?

ここでさっきまで笑顔だったAくんの笑顔が消え、急に悲しい様な、諦めた様な表情に変わった。

Aくん:変な言い方かもしれないけど、僕は選べなかったんだ
未来 :選べなかった?
Aくん:未来は普通に異性に恋をして失恋して傷ついて、そして色々な経緯を辿って、自分で選んで僕と出逢った。
未来 :うん
Aくん:でも、僕はそうじゃなかったって事

それを話したタイミングで、Aくんはグラスに半分以上入っていたワインを一気に飲み干し、さらにグラスにワインを注いだ。
Aくんが言っていた”選べなかった”と言う意味が僕にはよく理解できなかったが、Aくんの今までの明るい表情から一変した悲しい表情から、何か辛い思い出があったのではと推測した。

未来 :Aくんは僕の話を沢山聞いてくれたし、本当にAくんに感謝してる、だから僕が出来る事なら言ってほしいな
Aくん;本当に?
未来 :うん、もし話して少しでも楽になるなら嬉しいし、何か出来るのであればしてあげたい。
Aくん:ありがとう

Aくんの顔に少し笑顔が戻った気がした。
少し目が赤くなっていた気がしたが、それがワインによる酔いのせいなのかどうかは分からなかった。
そして、Aくんはまた少し寂しそうな顔をして俯きながら僕に言った。

Aくん:未来が僕の事を心配してくれるのは凄く嬉しいけど・・・
未来 :けど?
Aくん:話をしたらきっと未来は僕の事を軽蔑してしまうかもしれない、それは嫌なんだ。
未来 :そんな事ないよ、僕も彼女との失恋話で軽蔑される様な事沢山話したけど、Aくんはちゃんと聞いてくれたよ?
Aくん:・・・そうだけど
未来 :今日初めて会ったばかりだけど、僕はAくんの為ならなんでも協力するよ


その時、Aくんが真剣な顔で僕の顔をみた。
何か決心したような、そんな感じの目だった。


Aくん:未来はさ、家族の事が好き?
未来 :え?好きだけど、なんで?
Aくん:僕は、家族の事が嫌いだし、もう何年もあってないんだ。

家庭内の問題はデリケートな事が多いと思い、僕はAくんが口を開くのを待った。
そして、Aくんがグラスワインを飲み干して、新しいワインをグラスに注ぎ、一口飲んでからまた話し始めた。

Aくん:僕は日本人の母とフランス人の父の間に生まれたんだ

やっぱりハーフだったんだと思った。

Aくん:でも、僕が幼い頃に両親が離婚して、僕と弟は母親に引き取られたんだ。

彼の言葉から少し寂しさを感じた。
一番両親の愛を感じたい時期に彼は感じる事が出来なかったのだと思った。
外国人との結婚は文化の違いからか、結婚生活を始めてからの様々な考え方の違いから離婚率があがる事をどこかで聞いた気がした。

Aくん:そして、僕が小学校5年生の時に僕の母が日本人の人と再婚して、僕らは家族として一緒の家に住む事になったんだ。

僕は静かに頷いた。

Aくん:最初は嬉しかった、また父親が出来て、家も賑やかになって弟も喜んでいたし、新しいお義父さんも最初は優しい人だった。

ここの”最初は”という言葉にひっかかった。
すぐに頭をよぎったのは家庭内暴力やギャンブルにはまって家中が借金を抱えたなどの話だと勝手に推測した。

Aくん:しばらくしたある日の時、母親が仕事の関係で出張に出かけて、1週間いなかった時があったんだ。
未来 :お義父さんは?
Aくん:いたよ

少し嫌な予感がした。
母親の前では良いお義父さんでも、いなくなったときに急変すると言う話をどこかで聞いた事がある。

未来 :それで、どうしたの。
Aくん:いつも通りだったよ、僕らが学校から帰って来る頃にお義父さんも帰ってきて、僕と弟に夕飯を作ってくれた。
未来 :へぇー、良いお義父さんだね。

Aくんは何も言わなかった。

Aくん:夕飯が終わってテレビを一緒にみて、みんなで一緒にお風呂に入ろうと言われた。
未来 :うん
Aくん:一緒にお風呂に入って頭と身体も洗ってもらって、みんなで一緒にお風呂に入った。

よくある幸せな家庭だと思った。
さっきの僕の推測は思い違いだと思い始めた。

Aくん:お風呂から出て頭と身体を乾かしたら、もう寝る時間だった。
未来 :うん
Aくん:僕と弟はお義父さんにおやすみの挨拶をして、それぞれ自分達の部屋に行ってベットに入った。
未来 :うん
Aくん:そして、しばらくしたら僕は眠りについたんだ

何もない、本当に普通の幸せな家庭だと思った。
僕自身も小さい時は母が食事を作ってくれて、父と一緒にお風呂に入った記憶がある。


そして、また彼は語りだす。


Aくん:僕が眠りについた頃、急に手首と足首に痛みを感じて、同時に寒気を感じたんだ
未来 :?
Aくん:気がつくと僕は・・・

中々次の言葉がAくんから出てこなかった。
彼のワイングラスをもつ手はかすかに震えていた。
そして、声を絞り出す様に彼は言った。

Aくん:気がつくと僕は、裸で両手首を手錠でベットに固定されて、両股を開く形でベッドに紐で足を固定されてたんだ。

何を言っているのか良く分からなかった。

Aくん:そして、状況がよくわからないまま上を見ると、真っ暗の部屋の中にいたんだ
未来 :誰が?
Aくん:・・・・

急に表情が険しくなった。
そして、彼は言った。



Aくん:全裸で男根を盛り立たせて笑みを浮かべている義理の父親がそこにいたんだ。
未来 :え?どう言う事?


A:ぼくは・・・


”小学校5年生の頃から高校を卒業するまでの間、ずっと義理の父親に性的虐待を受けていたんだ”


まったく予想だにしなかった言葉が彼の口から語られた。
そして彼は、幼少期の頃に受けた虐待のすべてを僕に語りだした。



つづく

にほんブログ村 セクマイ・嗜好ブログへ
にほんブログ村

はじまり

とある日の事。
僕は2年間付き合った彼女と別れ、悲しみにくれていた。

寂しさを紛らわすために友人からの慰め飲みの誘いをすべて受け、連日酒に溺れた。

「また良い出会いがあるよ」「結果として別れてよかったよ」「今度お前が好きそうな子紹介するよ」

友人の言葉は嬉しかったし、その時だけは悲しみを忘れる事は出来た。

でも、家に帰れば一人、忘れようとしても走馬灯の様に彼女との思い出が頭をよぎる。
初めて付き合った時の事、一緒に出かけた時の事、お互いを感じ合った時の事、誰もが経験する甘酸っぱい過去の思い出になる事も、その時の僕にはこの世の終わりに匹敵するほどの苦痛だった。



寂しくて切ない、考えない様にしてもやはり彼女の笑顔だけが目に浮かぶ。



そんな寂しさを紛らわせる為に、一人家でインターネットで話し相手を探した。

最初は普通の匿名チャットで数人とチャットで話をしていた。
自分が失恋した事をチャットに書き込み、皆僕に同情し、別れた原因や思い出話を聞いてくれた。
僕を肯定する人、否定する人、皆それぞれ考えがあったけど、誰が正しいとか間違っているとかではなく、ただ僕の話を聞いてくれていることが嬉しかった。

そんなチャットをいくつか渡り歩いている中で、一つのチャットに辿り着いた。


それは、同性愛の人たち専用のチャット。


自分自身は同性を恋愛対象としてみる事は一度もなければ、同性の裸体に淫猥な気持ちを感じる事もなく、自分の理解とは全く別次元の人たちだと思っていた。

ただその時は誰でも良いから話がしたかった。
寂しさを紛らわすためというのもあったけど、恋愛対象は違えど同性同士としての気持ちを理解して貰えると思った。
女性も同じ人間だけど、性別が違うと男性との根本的な価値観が違い、それを分かり合える事は出来ないと思っていた。


そんな気持ちで同性愛の方専用チャットに足を踏み入れた。
もう決して女性を愛さないとか、自分がその道に進もうとかを考えていた訳では一切なかった。


実際に話をしてみると、たまたまだったのかもしれないがすごく好感の持てる人たちでチャットが賑わっていた。
元々は異性が好きだったけどこちらの世界に来た人や、始めから同性が好きだった人とまちまちではあったが、同性者同士考え方で共感する事が多く、さらに日本では以前よりは良くなってきたとは言え、まだまだ同性愛に偏見がある世間からの冷たい眼差しに対する免疫からか、普通の人以上に広い視野で物事を考え、本質的で大人な考えを持っている様に感じた。

そしていつの間にか、僕はそのチャットで彼等と話をするのが楽しみになっていた。
気兼ねなく話をする事が出来、僕の辛い気持ちを理解し、その時聞きたい言葉を彼等は知っていた。
気がつけば彼等と話をする事は、毎日の日課になっていた。

そのチャットで毎日話をするうちに、一人の人と仲良くなった。
彼(以下Aくん)はいつもチャットがお開きになる頃に「一人で大丈夫?辛かったらもっと一緒にお話しよ」とつぶやき機能を使って僕を誘ってくれたり、毎日メールをくれたりした。

Aくんとのチャットは最初は僕の失恋話だったが、時間が経つにつれてそれも少しずつ減り、自分の事やAくんの事をはなし、趣味の話や将来の事など沢山の事を話した。

Aくんの事を知れば知る程、彼は良い人で純粋な人だった。
年齢も近く、いつの間にかお互いに何でも話せる仲になり、ネットと言うフィルタを通してもこんなに良い友達が出来るのだと自分でも驚いていた。
Aくんも同じ事を思っていたらしく、僕らは毎日メールをし、チャットで話した。


そんなある日の休日、いつもより早い時間にAくんとチャットで話をしていた時の事。


Aくん:今日って未来は何してるの?
未来 :何も、洗濯と掃除くらいかな。
Aくん:そうなんだ
未来 :なんで?
Aくん:・・・
未来 :・・・?




Aくん:もしよかったらさ、会わない?僕と
未来 :・・・え?


Aくんとは数ヶ月に渡って毎日チャットとメールで話をしていたけど、実際に会うと言う話になった事はなかった。
あくまでネットの世界での友達であり、いつの間にか現実とは全く別で考えていたのかもしれないとその時思ったが、Aくんはネットの世界の自分ではなく、実際の僕を本当に友達だと思ってくれていたのだとその時改めて感じた。


少し考えた後、僕は決心した。


未来 :そうだね、会おっか!
Aくん:ホントに!?うん会おう!!


お互いに近くに住んでいる事は知っていたが、具体的にどこに住んでいるかは知らなかった。
実際に会う事になり、自分達が住んでいる所から1時間以内に住んでいる事が分かり、何故か笑みがこぼれた。


気持ちの焦りからか、Aくんとの待ち合わせ場所に15分早く着いた。

まだAくんは到着していない。

待ち合わせ場所にはあまり人もおらず、Aくんは青い手提げバックを持っていると言っていたのですぐに分かるはずだった。
携帯電話の番号も会う約束をした時に交換したので、わからなければ電話が来るはず。

Aくんを待っている間、彼に会えるという嬉しさもあったが、今まで感じた事のない緊張感と不安感があった。
彼を待つ1分間が何時間にも思え、彼に会えて嬉しいはずなのに、何故か後悔の念もあった。

彼とはネットでしか話した事がない、顔を見た事もなければ声を聞いた事もない。


実際に会って嫌われてしまったらどうしよう。


そんな事を考えていたらまた一人で失恋の悲しみにくれる辛い日々が頭をよぎった。
彼が僕に何を期待しているのか全く分からない、全然イメージと違うかもしれない、明日からもう話してくれなくなるかもしれない。



また一人になりたくない、そう思っていたんだと思う。



時計をみたら、待ち合わせ予定時間を10分過ぎていた。
待たされる事は苦ではなかったが、変な不安を少し感じていた。
もしかしたら来てくれないんじゃないか、急に来れなくなったんじゃないか、色々頭をよぎった。




「未来?」




ハッと自分に気がつき、俯いていた頭をあげた。


そこには、約束通り青い手提げバックをもって、オシャレなカジュアル服を着た白くて細身のキレイな顔立ちの子が笑顔でこちらを見ていた。

身長は僕と同じくらい、カジュアルスーツとシャツを着て、濃い色のジーンズと革靴を履いていた。
髪は長めでオシャレにセットしてあり、少し茶色身がかっていて、一瞬ハーフ?と思える程すこし日本人離れした女性的な美しさのある人だった。


Aくん:ごめんね、準備に少し手間取って、電車も少し遅れてたから間に合わなかった・・・
未来 :ううん全然、初めましてだね。
Aくん:こちらこそ初めまして!やっと会えたね。


彼の笑顔はすごくステキだった。
第一印象は明るく、清潔感があって爽やかだった。
ジャニーズやビジュアル系などの中性的な人が好きな女性であればたまらないだろうなと思った。
カッコいいと言うよりも、美しいと言った方が彼には合っていた。

Aくん:じゃあ行こっか!僕ここから少し行った所に美味しいピザを出してくれるお店があっ
    て、そこに未来を連れて行きたいんだ。
未来 :うんいいよ、行こう!


彼は満面の笑顔でこっちだよと言わんばかりに手招きをし、僕はそれに少し笑いながら着いて行った。
待ち合わせ場所から7〜8分程歩いた所に、駅近くの人の多い繁華街とはうってかわって、裏道を入った静かな場所にそれはあった。

Aくん:ここのマルゲリータすごく美味しいんだよ!ワインも美味しいんだ!
未来 :楽しみだね!

その彼の無邪気なその笑顔は、彼が本当に僕と会えた事を嬉しく思ってくれていると素直に感じた。
さっきまで不安に思っていたのが嘘の様に消え去り、自分も彼と会えた事を喜んでいた。
チャットではAくんの声や表情は分からなかったけど、彼の話し方や笑顔を見て本当に彼だと思った。
チャットでの文字だけのコミュニケーションでも実際に会ってでも、彼だと分かる不思議な物を彼から感じた。
運命とかは信じないけど、これから起こる事のきっかけとなった彼との出逢に少し運命を感じた。



つづく

にほんブログ村 セクマイ・嗜好ブログへ
にほんブログ村

まずは自己紹介

アクセス頂きありがとう御座います。

まずは簡単な自己紹介から。
性別は男性、20代後半の普通の一般人で、特に男性が好きとかの同性愛者ではなく、普通に女性に対して恋愛感情を抱くノンケ(だと思う・・・)。
一人称は「私・僕」、趣味はネットサーフィンと読書とアニメ。

このブログは、私がとあるきっかけから出逢った2人の同性の主人にそれぞれ2年ずつ奴隷として計4年間調教をうけた記録です。

ブログの目的は私が奴隷として受けた調教の日々と、その経緯を記録するものです。
様々な事があったので時系列ではありませんが、思い出しながら実際にあった事を書いていきます。

それでは、次回から私の奴隷になり調教を受ける事になったきっかけと、その生活日記を書いていきます。
文才がないので読みづらいかもしれませんが、これから宜しくお願いします。

にほんブログ村 セクマイ・嗜好ブログへ
にほんブログ村

プロフィール

未来

Author:未来
性別:Male
種別:M奴隷(現在は主人がいないので過去形)
年齢:20代後半

とあるきっかけからこの世界を知ったのが始まり。
その後Webで知り合った人がきっかけで2人の主人から奴隷調教を受ける事になり、その主人等からそれぞれ2年ずつ奴隷になる為の調教を受けた4年間に渡る日記です。

【ご注意】
当ブログは同性者(男性同士)との性的行為に関する内容が多く含まれます。
異性間でのものではないので、同性間での性的行為に理解のない方はご遠慮ください。
何か質問や問合せ、ご要望などあればメールフォームからお願いします。

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

フリーエリア
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR